憲法判例【地位確認等請求事件(入会権)】公序良俗の関係
みなさん、こんにちは!
今日は、地位確認等請求事件解説します。
地域内の入会権に関する訴訟ですが、裁判所の司法審査の対象となる判例です。
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争点
①入会権を家の世帯主のみに限定すること
②入会権を原則男子孫のみに限定すること これらが、公序良俗に反しないか
判決
①の規定について
家の世帯主のみに入会権を認めている慣習は、「入会団体の団体としての権利の維持という点からも入会権行使における各世帯間の平等という点からも不合理とはいうことはでき」ない
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世帯主だけに認めることで権利を維持しやすく、各世帯間に代表者の差別を生じさせない。 この点から、入会権を世帯主に認める部分の規定は公序良俗に違反しないとしました。
②の規定について
入会権は男子孫に認められ、他地域の者と結婚して姓を変更した女性は離婚して元の姓に戻らないと、入会権者としての資格を認めないとしていました。
この規定は 「専ら女子であることのみを理由として男子と女子を差別したものというべき」 「性別による不合理な差別として民法90条の規定により無効であると解するのが相当」
↓
②の規定は公序良俗に反して無効 最高裁はこの規定について、これまでの慣習に基づいたものであるとしながら②は明らかな女子への差別だとして公序良俗に違反して無効とした判例でした。
確認問題 〇か×
①長期間にわたり形成された地方の慣習に根ざした権利である入会権については、その慣習が存続しているときは最大限尊重すべきであるから、権利者の資格を原則として男子孫に限る旨の特定の地域団体における慣習も、直ちに公序良俗に違反するとはいえない。(司法試験 H28 【1】 ウ) 解答 ×
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