司法試験民法短答式試験H27第18問【保証債務】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H27民法第18問を解説していきます。

〔第18問〕(配点:3) AがBに金銭を貸し付け,CがAに対しBの借入金債務を保証したが,BがAに対する借入金の返還を怠ったことから,Aが,Cに対して保証債務の履行を請求する訴えを提起した場合に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。(解答欄は,[№18]) 1.Cは,保証債務の消滅時効を自ら援用しなくても,Bが主たる債務の消滅時効を援用したことを抗弁として主張することができる。 2.Cは,Bが主たる債務の消滅時効を援用していない場合でも,主たる債務の消滅時効を援用して抗弁を主張することができる。 3.Cが保証債務の消滅時効を援用して抗弁を主張するのに対し,主たる債務の消滅時効が完成する前にBがその債務の一部を弁済したことは,時効中断の再抗弁となる。 4.Cが主たる債務の消滅時効を援用して抗弁を主張するのに対し,主たる債務の消滅時効が完成する前にCが保証債務の一部を弁済したことは,時効中断の再抗弁となる。 出典 問題『司法試験H27民法短答式問題』 解答『司法試験H27民法短答式解答

1について

保証債務が存在するためには主たる債務の存在が必要なのであるから(付従性)、CはBが債務の消滅時効を援用して抗弁を主張し、保証債務を免れることができると解される。

そのため、解答は◯となります。

2について

保証人は時効を援用することが権利として認められているので解答は◯となります。

3について

民法147条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。 一  請求 二  差押え、仮差押え又は仮処分 三  承認
Bが債務を承認したことを権利者が主張することは147条1項にいう請求に該当するため、時効が中断することになります。
そのため、解答は◯となります。

4について

最高裁62年9月3日では「 物上保証人が債権者に対し被担保債権の存在を承認しても、右の承認によつては、債権者と物上保証人との相対的関係においても、被担保債権について時効中断の効力は生じない」とされています。

Cが保証債務を弁済して債権の承認をしていたとしてもそれが時効中断の効力とはならないため、解答は✖となります。

 

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