司法試験民法短答式試験H27第11問【地役権】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験H27民法第11問を解説していきます。

司法試験民法短答式試験H27第10問

 

 

〔第11問〕(配点:2) 地役権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№11]) ア.地役権者がその権利の一部を行使しないときは,その部分のみが時効によって消滅する。 イ.要役地に隣接しない土地を承役地として地役権を設定することはできない。 ウ.要役地が数人の共有に属する場合において,要役地の共有者の一人は,その持分につき,その土地のために存する地役権を放棄することができる。 エ.要役地が数人の共有に属する場合において,その一人のために時効の中断があるときは,その中断は,他の共有者のためにも,その効力を生ずる。 オ.要役地の所有者は,地役権を要役地から分離して譲渡することができない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 出典 問題『司法試験H27民法短答式問題』 解答『司法試験H27民法短答式解答

アについて

民法293条 地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する。

解答は◯となります。

イについて

山から水を引く場合のように承役地と要役地が離れていても、地役権を設定することは可能なので、解答は✖となります。

ウについて

民法282条1項 土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。

282条1項で地役権の不可分性について規定されており、自分の持分のみ地役権を消滅させることはできないので、解答は✖となります。

エについて

民法292条 要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の中断又は停止があるときは、その中断又は停止は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。

1人に時効の中断・停止があれば他の共有者にも効力が生じて時効が完成しないため、解答は◯となります。

オについて

民法282条2項 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。

地役権を要役地から切り離して譲渡することはできないので解答は◯となります。

以上、ア=エ=オ=◯・イ=ウ=✖なので解答は3となります。