司法試験H22公法系科目第15問【政党】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H22第15問を解説していきます。

〔第15問〕(配点:3) 政党に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№27]から[№29]) ア.日本国憲法には政党にかかわる明文規定はないが,結社の自由が保障され,議院内閣制が採用されていることからすれば,憲法は,国民と議会をつなぐ,言わばパイプ役として,政党の存在を当然予想している。[№27] イ.憲法第51条は,国会議員の職務の遂行の自由を保障することを目的として,議員の発言の免責特権を定めている。したがって,議員が所属する政党が,議員の院内での表決等を理由に除名処分を行うことは違憲である。[№28] ウ.名簿式比例代表制という選挙方法は,政党が作成した候補者名簿に有権者が投票するので,憲法が保障する直接選挙の原則に反するか否か問題となるが,最高裁判所は,選挙人の総意により当選人が決定される点において,直接選挙の原則に反しないと判示した。[№29] 出典 問題『司法試験H22公法系科目』 解答『司法試験H22公法系科目

アについて

憲法に政党に関する明文規定はありませんが、政党があることでいろいろなことを行いやすく、また、憲法の条文からも予定されているというのが通説と言えます。

そのため、解答は1となります。

イについて

憲法51条

両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
議院は院外では責任を問われませんが、院内での懲罰対象となり得るので解答は2となります。

ウについて

平成16年1月14日判決では、当選者の決定方式が投票の結果=選挙人の総意で当選人が決定されるため、選挙人が候補者個人を選択して投票する方式と異なるところがない制度としています。

そのため、非拘束名簿式での選挙制度が直接選挙の原則に違反していないとされているため、解答は1となります。

 

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