司法試験H22公法系科目第11問【第三者所有物没収事件】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H22第11問を解説していきます。

司法試験H22公法系科目第10問

〔第11問〕(配点:2) 関税法第118条第1項により第三者の所有物を没収することをめぐる最高裁判所の判決(最高裁判所昭和37年11月28日大法廷判決,刑集16巻11号1593頁)に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№21]) ア.この判決は,所有者たる第三者に告知,弁解,防禦の機会を与えることなく,その所有物を没収することは,適正な法律手続によらないで,財産権を侵害することに外ならず,憲法第31条,第29条に違反するものであることを明らかにした。 イ.この判決は,所有者たる第三者を証人として法廷に召喚し,これに対する証人尋問の際に,第三者没収の趣旨を告知し,弁解,防禦の機会を与えていれば,憲法第31条,第29条に違反するものではないとした。 ウ.この判決は,第三者の所有にかかる物件につき没収の言渡しがあったからといって,被告人においてこれを違憲無効であると主張することは許されないとして,被告人の上告を棄却した。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 出典 問題『司法試験H22公法系科目』 解答『司法試験H22公法系科目

アについて

第三者に対して告知などの機会を与えずに没収することは適正な法手続きによらずに財産権を侵害するものであり、それが憲法31条・29条に違反するとされています。

そのため、解答は◯となります。

イについて

判決では証人尋問について述べられておらず、弁明などの機会を与えればよいと解される。そのため、解答は✖となります。

ウについて

判決では「被告人は第三者所有物の没収が違憲であることを上告理由にできるのは当然」とされているため、解答は×となります。

以上、ア=◯・イ=ウ=✖なので解答は4となります。

 

司法試験H22公法系科目第12問