司法試験H22公法系科目第7問【職業の自由】

みなさん、こんにちは!

今日は、司法試験公法系科目H22第7問を解説していきます。

司法試験H22公法系科目第6問

〔第7問〕(配点:3) 職業の自由を規制する目的に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ「あなたのため」というパターナリズムに基づく規制である場合には1を,それ以外の理由に基づく規制である場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№15]から[№17]) ア.公衆浴場を自由に開設できるようにすると,公衆浴場が濫立し,浴場経営に無用の競争を生じさせ,ひいては浴場の衛生設備が低下することなどが考えられる。それゆえ,公衆浴場の濫立を防止するため,公衆浴場の適正配置を開設の許可要件とする。[№15] イ.過度の飲酒は,自らの健康を害し,生命を失うこともあり得るが,飲酒量を自己でコントロールすることは難しい。それゆえ,飲酒者の過度の飲酒を防止するため,酒類を提供する飲食店における客一人当たりの酒類販売量を制限する。[№16] ウ.喫煙は,喫煙者に肺がん等の疾患をもたらし,社会医療費上昇の一因となっている。それゆえ,医療保険制度を通じた国庫補助金の支払等社会医療費の増加抑制のため,テレビにおけるたばこの広告を全面的に禁止する。[№17] 出典 問題『司法試験H22公法系科目』 解答『司法試験H22公法系科目

パターナリズムとは

強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援すること 出典:『Wikipedia

言い換えれば「おせっかい」とも言えるかもしれませんね。

今回は問題文で述べられるように「あなたのため」という視点から考えていきます。

アについて

「あなたのため」に公衆浴場の適正配置を解説の許可要件とするのではなく、みんなのためという公共の利益のために許可要件としていると考えられます。

そのため、解答は2となります。

イについて

自分で管理するのは難しいので「あなたのため」に酒類販売量を制限する、という文は適切なので、解答は1となります。

ウについて

「あなたのため」ではなく「社会医療費を増加させないため」の措置だと言えるので、解答は2となります。

 

司法試験H22公法系科目第8問