憲法判例~【昭和女子大事件】と政治的活動の自由

みなさん、こんにちは!

今日は、昭和女子大事件を解説します。

判決全文はこちらになります。

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争点

学外の政治活動に参加する際は届け出をするよう定めていたが、当該学生は届け出をせずに参加した。

補導などを行うも応じなかったため退学処分としました。

この退学処分について、学長の裁量権の逸脱ではないかが争われました。 

判決

私立大学の精神などに照らし、学生が政治的目的を持って活動したりするのを放っておくのは好ましくない。

そのため、「規則等により、学生の署名運動について事前に学校当局に届け出るべきこと及び学生の学外団体加入について学校当局の許可を受けるべきことを定めても、これをもって直ちに学生の政治的活動に対する不合理な規制ということはできない」

学生の政治的活動に対しての規制は合理的

  

退学処分について、様々な事情を考慮して、「退学処分の選択が社会通念上合理性を認めることができないようなものでないかぎり、その処分は、学長の裁量権の範囲内にあるというべきである」

退学処分を決める際の基準

 

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本件では、学生が無届で活動しており、これに対して学校当局が説得を十分してなくても、学生はその違反を認知していたはずです。

また、学校当局の離脱命令にも従わずに学校当局を非難することを繰り返していました。 

こうしたことから「学校教育法施行令13条3校4号により、学生に対してされた選挙の処分は、学長に認められた裁量権の範囲内にあるものとしてその効力を是認すべき」

総合的に学生の政治的活動について事情を考慮すると、学長による退学処分は違法ではないと理解できる。

学生の学内外での政治的活動に対しての規制・処分は、合理的で当然に違法とはならない事例でした。

学生の政治的活動にも制限があると覚えましょう。 

確認問題 〇か×

①大学は、その設置目的を達成するため、必要な事項を定めて学生を規律する機能を有するから、私立大学が、その伝統、校風や教育方針に鑑み、学内外における学生の政治的活動につき、かなり広範な規律を及ぼしても、直ちに不合理ということはできない。(司法試験 H28 【1】 イ)

解答 〇

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