【 東大ポポロ事件】で検討される大学の自治との関係
みなさん、こんにちは!
今日は、東大ポポロ事件の判例を紹介します。
参考は最高裁判決になります。
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争点
大学内へ私服警察官が立ち入って捜査をしたことが、「大学の自治」を犯さないのかが争われました。
何を捜査していたかというと、大学の団体が政治的活動を行っていないかの捜査です。
判決
大学の学問の自由と自治について
「直接には教授その他の研究者の研究、その結果の発表、研究結果の教授の自由とこれらを保障するための自治とを意味する」
こうしたことから「大学の施設と学生は、これらの自由と自治の効果として、施設が大学当局によって自治的に管理され、学生も学問の自由と施設の利用も認められる」
↓
学生と施設は大学の自治によって管理されている
つまり、大学とは学問の研究を行う場であり、学生や施設は大学の自治によって管理され学生は施設を利用できると分かります。
学生は施設を勝手に利用できないということです。これを踏まえて次の判決をみていきましょう。
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この構内での集会は
「真に学問的な研究と発表のためのものではなく、実社会の政治的社会活動であり、かつ公聞の集会またはこれに準じるものであって、大学の学問の自由と自治はこれを享有しないといわなければならない」
↓
集会が政治的活動で大学は、上記で述べたように学問を研究する場であり学問であれば大学の自治を受けられるが、それ以外の活動は大学の自治を受けられない。
この判決によって私服警察官が、調査のために大学構内に立ち入ったことは、「大学の学問の自由と自治を犯」さないとされた。
学生は大学の自治による保障を受けないことをした、そのため警察の捜査に違法性はないということです。
政治的活動は大学の自治による保障を受けず、私服警察官の立ち入りは認められる場合がある判例でした。
確認問題 〇か×
①大学における学問の自由を保障するために伝統的に大学の自治が認められているところ、学内集会について大学の自治の保障が及ぶか否かの判断に当たって、その集会の目的や性格を考慮することは、学内で行われる活動をその思想内容に着目して規制することになり、大学の自治を認めた趣旨に牴触するから、許されない。(司法試験 H28 【第7問】 イ)
②大学は,自治権を有し,その施設及び学生の管理に関して自主的に決定する権利を有することから,警察は,大学の了解なしには大学構内において令状に基づく犯罪捜査を行うことはできない。(司法試験 H26 【第8問】 イ)
解答 ①× ②×
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