民法法律行為~隔地者に対する意思表示と到達の意義
みなさん、こんにちは!
今日は、隔地者に対する意思表示と到達の意義を解説していきます。
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到達とは?
『到達・民法97条』
- 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
- 隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない
①隔地者に対しての意思表示は、その隔地者に到達したときに効力を生じます。そのため、隔地者に到達するまでは、その効力が生じることはありません。
②隔地者に対する意思表示
・意思表示の表意者が死亡
・行為能力を喪失、つまり後見開始の審判を受けた
↓
この場合でも、隔地者に対する意思表示は有効なものとして取り扱われます。
語句の紹介
隔地者
文字の通り、隔地者とは距離が離れていて、すぐに意思が伝わりにくい場所にいる相手方のことを意味します。
到達
表意者のした意思表示について相手方が了知できるような状態に入ったことをいい、実際に相手方がその意思表示を了知したかは問題になりません。つまり、その意思表示、例えば郵便物などをその相手方受け取らなくてもいいということです。
判例を基にすると、郵便物として投函されたり、相手方の家族に渡されるなど相手方が了知できる状態にあれば、到達したとされる。
また、その相手方の家族・同居人が郵便物などの受領を拒否したときでも、到達したとみなされます。
↓
到達主義
例外の発信主義
到達では、到達主義が取られるのが原則ですが、例外的に発信主義が認められるとします。
隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する『民法526条」
契約の場合には例外的に発信主義がとられます。これは、契約の場合は到達主義をとると契約が遅れて円滑に事業の推進を妨げるなど悪影響があることから、発信主義がとられるとされています。
発信者・受領者の死亡・行為能力の喪失
発信者
発信者、つまり意思表示の表意者が死亡した場合は、その効力は有効なものとして扱われますし、後見開始の審判を受けて行為能力を喪失しても、意思表示の効力にはなんら影響を与えません(民法97条)
受領者
受領者、つまり相手方が死亡した場合は、その意思表示は有効なものとならず、後見開始の審判を受けて未成年・成年被後見人にはその意思表示を受領する能力がないとされ、被補助人・被保佐人には意思表示を受け取る能力があるとされます(民法98条の2)
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