憲法判例【板まんだら事件】と裁判所法にある法律上の争訟との関係

みなさん、こんにちは!

今日は、板まんだら事件を解説します。

参考は、最高裁判決になります。

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争点

板まんだらを安置するため施設設置のため寄付金を募るが創価学会の会員は「板まんだらは偽物だ」として、贈与の錯誤無効を主張し不当利得の返還を請求。

贈与( 寄付)が思っていたものとは違い、その不当に得た寄付金を返せ、という訴訟になります。

ただ、本判例は板まんだらが本物かどうかでその不当利得が認められるかどうかが判断されるため、裁判で審査できないとしました。

判決

まず裁判できない要件をみる前に、裁判所法を解説します。

 裁判所法

「裁判所は、日本国憲法に特別のある定めを除いて、一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する」

法律上の争訟とは

「当事者間の具体的な権利義務、法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、それが法令の適用により終局的に解決されるもの」

これに当たらなければ、裁判所は判決を下せない

 

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これを踏まえて、板まんだら事件をみていきましょう。

・錯誤無効で不当利得の返還を請求していて

・宗教上の教義の判断(板まんだらについて)が前提条件

→法律上の争訟にあたる気がします

しかし、不当利得の返還を認めるかどうかは、板まんだらが本物か偽物がで大きく変わります。

板まんだらが本物なら請求は認めないし、偽物なら請求は認めますからね。

上記より、法令の適用で解決できない、つまり法律上の争訟に当たらないとした。

法律上の争訟に当たらないと、裁判できないことは覚えましょう。 

 

法律上の争訟・一般市民法秩序についてはこちらもご覧ください。

【警察予備隊違憲訴訟】

【国家資格における合格、不合格についての裁判】

【共産党袴田事件】

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